2014年のお知らせ
版画集「未来への視座」に参加します
拝啓
日増しに秋の深まりを感じる季節となりましたが、いかがお過ごしですか。
久利屋グラフィックが主催する、版画集「未来への視座 VF14 [transfer]」に参加させていただくことになりました。
今年参加させていただくことになったのは、もちろんお誘いいただいたというのもありますが、
去年から版画作品の制作を再開して、「版画」について色々と悩むことが多くなり、それについて何かしら自分なりの答えをだしたかったという事情があります。
「未来への視座」は、展覧会もありますが、基本的には版画集の制作であり、作った作品は版画集として誰かしらの手元におかれることになります。
通常、作品は展覧会の期間中に誰かの目に触れたら、その後は自分の手元に帰ってきて、その後は押し入れの中などで生活スペースを圧迫するだけの存在になります。
もちろん、どなたかに購入いただければ別ですが、そのような奇跡はほとんど起きないのが現実です。
そういう背景の中、版画であるために、エディションとして同じ作品を複数つくる、ということに違和感をもっていました。
現在のシルクスクリーンの刷り方だと、複数つくった作品が同じ様相でいるのは難しく、全く同じものを複数作るためには、表現にある種の制限がかかってしまうという問題が出てきていたのです。
作った作品が必ず誰かの大切なものとして持っていてもらえるという「版画集」という存在に参加するというのは、もやもやとし続けている今、とても意味のあることだと思いました。
わたしは、自分の版画作品の複数性について、連続したオリジナル作品群だと考えています。
スキージが通ったアクションの記録集が、エディションなので、各アクションが別のモノで、その表情はふたつと同じものはないのです。
一般的には版画といえば、エディション分は全く同じもの、同じ絵ですが、そういう意味ではわたしの作品は同じものではありません。
その時、その時の情動の痕跡が、版画であると考えています。
今回のエディション35枚の作品たちも、ひとつとして同じものはありません。
わたしが悩み苦しんだ35の足跡が、今回の版画集の作品です。
また、震災以降、アートの存在意義や、自分が作品制作する意味について、考え続けています。
あまり楽観的には、考えられません。だからこそ、自分にしかできないことだけを、こっそりやっていこうと思います。
今回の出品作品は、私だからこそ、ということで、ある種のセルフポートレートを作品にしました。
自分のなかでは、セルフポートレートは鬼門でした。今でも、それを良しとしない自分がいますが、今回は発表して終わりではなく、版画集として誰かに所蔵されつづけます。
持ち主の方が、私がセルフポートレートを良しとしない理由と意味を知らなくても、こっそりとそのことは存在しつづけてくれます。
その間に、「セルフポートレートが許せないわたし」は、作品たちがそれぞれの場所に居続けてくれることによって、なにがしかに変容していくだろうと考えています。
今現在は、刷り終わった直後のわたしです。まだセルフポートレートについてしこりがあり、今回の展覧会でそっと作品が並び、あまり声高に説明されることなく静かにどなたかのもとへたどり着いてくれることだけを願っています。
もし、ご興味がありましたら、こっそりご覧いただければと思います。
秋冷、日増しに加わります。よろしくご自愛のほどをお願い申し上げます。
敬具
2014年10月30日
さいとううらら
- 未来への視座 VF14「transfer」
- 【会期】2014年11月18日(火)―11月24日(月)
- 【時間】12:00―18:00(最終日16:00まで)
- 【会場】gallery TEN 台東区谷中2-4-2 tel 03-3821-1490
- 【アクセス】東京メトロ千代田線 根津駅1番出口徒歩7分
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ご案内葉書
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「Message 2014 おしゃべりなアート展」のご案内
拝啓
澄み渡る秋、ますますご繁盛の事とお喜び申し上げます。
さて、今年もギャラリー悠玄企画の「おしゃべりなアート展」に参加させていただくことになりました。
この展覧会は、さまざまなジャンルのアートが集う、とてもにぎやかで楽しい展覧会です。会期中にはパフォーマンスなどのイベントもあり、何度足を運んでも楽しめる展覧会になりそうです。
私は、手に取って楽しんでもらう、響きのオブジェシリーズの作品「untitled dictionary」を出品します。
水は、私たちの日々の生活にも、身体の一部としても必要であり、心の中においても、
浄めるものとしてなど、様々な信仰のなかで大切な存在です。手に取る作品という、ちょっと変なかかわり方によって、自分と水との関係を見直してみることが出来ればと思います。
どうぞお手に取って、響きを感じてみてください。どこかで聞いた誰かの言葉でなく、
自分の内なる言葉が聞こえるかもしれません。
今までは、自分で型を取ってみたり、彫刻家に発注したりと、大変お金がかかっていたのですが、今回は、3Dプリンターを利用しようと思い立ち、素人ですが3Dデータを作る無料のソフトウエアにチャレンジ。
さすがに詳細な造形は難しかったので、水を入れる内部構造までとし、外観は手製本にチャレンジしました。
「The Library 2014」の展覧会では、密かに人気があったのではないかと自負しております。(笑)
お近くにおいでの際は、ぜひお立ち寄りください。
取り急ぎお知らせまで。
敬具
2014年10月28日
さいとううらら
- Message 2014 おしゃべりなアート展
- 【会期】2014年11月14日(金)〜22日(土)
- 【時間】11:00〜19:00(最終日16:00)
- 【会場】ギャラリー悠玄 〒104-0061 東京都中央区銀座6-3-17 悠玄ビル TEL:03-3572-2526
- 【アクセス】地下鉄銀座駅(C2出口)徒歩2分/JR有楽町駅銀座口徒歩5分
- ご案内葉書
- ●ご案内葉書はこちらから
オンラインストアを開設
かねてより、だらだらと準備していた、オンラインストアをついにオープンしました。
と、言っても、あまり商品はありませんが・・・。
とりあえず、「道端のマリア様」のフォトブックと、関連のポストカードを掲載しています。
レア―な商品ですので、ぜひこの機会にお求めください。
エトセトラのページを作りました
日々のつぶやきや、気になったニュースをまとめて掲載するページ、エトセトラのページを作りました。
以前からブログやソーシャルネットワークなどを利用していたのですが、文章を書くことが苦手で、メールのお返事ひとつ書くのも苦痛だったので、それを克服するための試みということで、ホームページには掲載しておりませんでした。
原発事故があってから、今の日本になぜ54もの原発があるのだろうと考えるようになりました。
私は、いくつもの原発反対署名に参加してきましたが、自分が原発に反対なことや、署名に参加していることを周囲には言わないようにしてきました。
それは些細なことですが、そういう小さなことが積み重なって、安全神話が出来上がってきたのだろうという考えに思い至りました。
そこで、私に何が出来るわけでもありませんが、どう思っているのかくらいは、知ることが出来る場所をつくっておこうと思いました。
未だ、文章を書くのが好きではありませんが、一文字も書けないほどではなくなってきたので、それらをまとめて見られる場所をホームページに設けることにしました。
エトセトラのページは、制作についてのもやもやや、毎日のささいなつぶやきを記すブログと、気になるニュースのリンクをメモするブログの二種類のブログの引用で構成されています。
更新の頻度はまちまちですが、たまにのぞいていただければ幸いです。
「THE LIBRARY 2014」終了しました
拝啓
残暑厳しいなか、皆様お変わりございませんか。
さて、八月十六日、「THE LIBRARY 2014」が無事終了いたしました。
私は会期半ばで夏バテが高じて発熱して寝込んでしまったため、会期後半は会場へ行けず、イベントなども逃してしまい残念でした。
わざわざお運びくださった皆さま、応援くださった皆さま、どうもありがとうございました。
今回の展覧会も、作品完成までに様々な葛藤や学習があり、会期始まってからは色々な出会いや素敵なコメントなどを頂き、喜怒哀楽満載の素晴らしい体験となりました。(おまけに風邪ももらいました(笑)。)
いろいろ考える種が大豊作となりましたので、一粒ずつゆっくり植えていこうと思います。
まだまだ暑い日がつづきます。くれぐれもご自愛ください。
敬具
2014年8月19日
さいとううらら
「THE LIBRARY 2014」に参加します
拝啓
暑さが堪えますが、皆様お変わりございませんか。
さて、今年もブックアートや手づくりの本を集めた展覧会「THE LIBRARY 2014」に、参加させていただくことになりました。
「THE LIBRARY 2014」は、さまざまな「本」が並び、手に取ってみることが出来る、とても楽しい展覧会です。
私は、手に取って楽しんでもらう、響きのオブジェシリーズの作品を出品します。ぜひお立ち寄りください。
まだまだ暑い日がつづきます。くれぐれもご自愛ください。
敬具
2014年8月1日
さいとううらら
- 「THE LIBRARY 2014」
- 【会期】2014年8月5日(火)〜8月16日(土)
- 11:30〜19:00 最終日は18:00まで
- 【会場】TOKI Art Space
- 東京都渋谷区神宮前3-42-5-1F
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ご案内葉書
- ●ご案内葉書はこちらから
「Linkage さいとううらら展」終了しました
拝啓
桜の便りも聞かれますが、皆様お変わりございませんか。
さて、自由が丘 もみの木画廊でのシルクスクリーン作品展「Linkage さいとううらら展」は、おかげさまで無事に会期を終えることができました。わざわざ足をお運びくださった皆さま、応援くださったみなさま、本当にありがとうございました。
今回の展覧会で、シルクスクリーンとの向き合い方、発表や表現することについて、またひとつ考えを深めることが出来ました。いつかまた発表する機会を夢見て、一歩ずつ歩みを進めていこうと思います。
思わぬ花冷えにお風邪など召されませぬよう、くれぐれもご自愛ください。
敬具
2014年3月31日
さいとううらら
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ご案内葉書
- ●会場風景はこちらから
「Linkage さいとううらら展」のご案内
拝啓
暦の上に春は立ちながら、厳しい寒さが続いております。
皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
さて、この度もみの木画廊のご厚意により、シルクスクリーン作品による展覧会「Linkage さいとううらら展」を開催させていただく運びとなりました。
もみの木画廊は、以前から版画の企画展「グループ版」でお世話になっていたギャラリーです。版画には様々な様式や決まり事がありますが、毎度決まり事からはみ出したような作品を出品する私を、いつも勇気づけてくださいました。今回の展覧会でも、「何か自分の中での実験になるような、挑戦になるような展覧会を」というお言葉をいただいています。この言葉もあり、最近格闘しているシルクスクリーンの技法で、少し大きな作品に挑戦してみようと思い立ちました。
大きな作品の制作は、大きな作業環境が必要になります。しかし、実際は自宅アパートの四畳半。大きな画を刷るどころか、少し距離を置いて作品を見ることも難しい状況です。そこで、作品を小さなサイズに分割して制作し、それらを当日会場で組み合わせて一枚の作品にするという試みを考えました。
また、「Linkageシリーズ」は、「わ(輪・環・円)」を主題にした学生時代からのシリーズです。「わ」が集まってまた「わ」を形作る、ちいさな部分が集まって大きな部分を形作る、という観念を表しています。今までにこのシリーズで素描や油彩、立体作品や脱脂綿を使ったインスタレーションなどを行ってきましたが、現在格闘しているシルクスクリーンの技法による作品はありません。昔からのシリーズに、現在格闘中の技法を用いるという試みにもなりました。
当日会場で設営してみないと、作者本人もどんな作品になるかわからない展覧会というのは、甚だ恐縮ですが、物見高い気持ちで、是非お立ち寄りいただければと思います。
まずは書中にてご案内申し上げます。
敬具
2014年2月22日
さいとううらら
- Linkage さいとううらら展 シルクスクリーン作品展
- 【会期】2014年3月12日(水)〜19日(水)
- am11:00 - pm19:00 (最終日は17:00まで)
- 【会場】自由が丘 もみの木画廊
- 〒158-0083 東京都 世田谷区 奥沢 6-33-14 もみの木ビル 201
- tel : 03-3705-6511
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ご案内葉書
- ●ご案内葉書はこちらから
速報!「Miniprint Finland 2014」入選
昨年に応募したフィンランドの国際公募展「Miniprint Finland 2014」に入選したようです!
この公募は、写真画像をメールなどで送る応募の一次審査と、実際に作品を送る二次審査があります。メールで二次審査のお知らせが来て、作品を発送してから音沙汰がなかったのですが、本日公式フェイスブックにお知らせがでているのを発見しました。そこからリンクされている公式ホームページの発表ページを見てみると、さいとううららの名前がありました!!
この発表は、二次審査を通過した者の発表のみのようで、グランプリなどの入賞者の発表は展覧会前日に行われる美術館でのパーティーで行われるようです。
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Miniprint Finland 2014
- 【会期】2014年3月28日(金)〜5月18日(日)
- 【会場】Hyvinkaa Art Museum
- Hameenkatu 3 D, 05800 Hyvinkaa, Finland
- www.hyvinkaantaidemuseo.fi
8th International Miniprint Triennial